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神社のご神前に設けられた茅の輪の前で神主が祝詞をあげ・・・ |
左側・右側・左側と数字の8の字を書くようして輪をくぐる。 |
輪くぐり神事は、茅の輪をくぐり越えて、罪穢を祓い、心身の清浄を祈願する神事で、「茅の輪神事」、「輪越神事」、「夏越の祓」、「名越の祓」ともいいます。
輪くぐり神事の起源は、『備後国風土記』に次のように伝えられています。 神代の昔、スサノオノミコトが旅の途中、ある村に立ち寄り、蘇民将来、巨旦将来という兄弟に宿を求められました。その時、弟の巨旦将来は裕福な暮らしをしていましたが、冷たく宿を拒みました。しかし、兄の蘇民将来は貧しい身にもかかわらず、喜んでスサノオノミコトをお泊め申し上げ、粟飯で心のこもったおもてなしをしました。ミコトはたいそうお歓びになり、翌朝お礼を言って旅立たれました。
数年後、スサノオノミコトが再び蘇民将来の家を訪れ、「近く、天下に疫病が流行する。その時は、ちがやで輪を作り、それを腰につけていれば疫病を免れることができるだろう。」とそっとお教え下さいました。
しばらくして、ミコトのおっしゃった通り、蘇民将来の村で疫病がはやりました。 弟の巨旦将来を始め多くの村人が疫病に倒れる中、蘇民将来の家族だけは、ミコトの仰せの通り、茅の輪を腰につけていたので助かりました。
この故事に基づき、茅の輪で災厄を免れるという信仰が生まれ、全国各地に広まって行ったのです。 茅の輪も当初は腰に着けるほどの小さな物でしたが、時代が下るにつれ次第に大きな物となりました。そして、神社のご神前にこれを設け、くぐり越えることによって罪穢を祓い清める神事となり今日に至っているのです。
輪を廻る時は、左側・右側・左側と数字の8の字を書くようして、和歌「水無月の 夏越しのはらい する人ぞ 千歳のよわい 延と言うなり」と詠いながら廻ります。
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