● 普門寺物語 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 むかし、むかしのお話です。
 三州(愛知県の東の方)と遠州(静岡県の西の方)をまたぐ弓張山系の端っこに船形山がありました。
 その頃、全国に仏法を広めてまわる、行基という坊さんがおられ、この地にもやって来ました。そしてこの山に登られ、あまりの絶景に、驚かれ一夜の夢枕に、観音様のお告げを受け、此処に普門寺を建てられた。
 この寺は、古い歴史の中で、三河七御堂の随一と云われた事もあり、99の末寺を持ち、門前町も立ち並び、坊さんたちも大勢おられたそうです。ある時、権力争いで、寺は全焼するはめとなってしまった。そんな寺を救ったのが、化積上人で、この人は源頼朝様の弟だそうです。

 仁王門をくぐり参道を行くと、客殿のとなりに不動堂がある。ここには、源頼朝様の等身像の不動明王がおる。そしてその脇に2体の小柄な仏像がおって、1体はセイタカ童子、もう1体はコンガラ童子というてな。これには不思議な話があるんじゃ。
 ある時、村は水不足で困ってしもうた。はて、どうしたものかと村人達は、思案しておった。そんな村の「太郎兵衛さ」とこに可哀相に、生まれつき目の不自由なセイタカという子がおった。「八兵衛さ」とこには、病気で口が利けなくなったコンガラという子がおったそうな。2人の、おっ父、おっ母は、この子達の先を案じておったんじゃが・・・・・・。
 そんな時、頼朝様の命を受けて文覚上人がやって来た。そして水不足で困っている村人を救おうと一心に祈られたんじゃ。すると、夜明けとともに、奇跡が起きた。なんと、上人が座っていた岩の上から清水が湧き出て、やがてそれは泉となったそうな。不思議なこともあるもんじゃ。セイタカが、この水を目に付けると、なんと目の前がパッと開けあまりの嬉しさに初めて見る両親に、思わず抱きついた。コンガラがこの水を口に含むと、なんと・・・・・ しゃべるわ、しゃべるわ。
 こんなわけで、2人は、病を治し、安泰に導いてくれた上人様の主人、源頼朝様の、おそば近くに、仕えるようになったそうな。
 水は、いつまでも絶えることなく、そのうえ不老不死の水とも云われ村人達を救ったそうな。この泉は、現在も「文覚上人の祈りの泉」として元堂あとにある。
とよはしの民話(豊橋市教育委員会) より引用 


普門寺

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