● 伊宝石さま 前のページへ戻る   HOMEへ戻る 

 むかしむかしのお話です。
 二川宿の加宿、大岩村のお百姓の新左衛門さんは働き者で、朝な夕なにお参りを欠かしたことのない信心深い人でした。
 新左衛門さんはいぼに苦しんでいる村人をみて、日頃から何とかできないものかと、心を痛めておりました。
 ある夜、夢枕に神さまが立たれたのです。
「山の水が湧き出る所をさがしなさい。」
と、お告げがありました。びっくりして山に入ってみると、大きな大きな岩のくぼみに、たまっている水を見つけました。お告げのように湧き出てはいませんでしたが、
「きっと、ここの水にちがいない。この水をいぼにつけてみよう。」
と、新左衛門さんはいぼに苦しんでいる村人へ届けてあげました。それから、村人はその水を毎日つけておりました。
 しばらくすると、なんとふしぎなことに、あんなにも苦しんでいたいぼが知らない間にすっかりとれているではありませんか。村人はよろこんで、
「おかげさまで、いぼがなくなりました。」
と、お参りをして、お礼に水を倍にして、おかえししました。
 それから、いぼでも魚の目でも自然に落ちるという評判が広がって、いぼいっさま(伊宝石さま)と親しくよばれ、遠くの村々からも悩んでいる人たちがお参りにくるようになったということです。
 新左衛門さんはお礼にあの大きな岩の前に小さなお社をたてました。病難排除、医薬の神さまの少彦名命(すくなひこなのみこと)をお迎えして、疣石神社と名づけました。

 とよはしの民話(豊橋市教育委員会) より引用 


いぼ石と疣石神社

一つ前へ戻る        HOMEへ戻る