● 海で拾ったお地蔵さん 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 古田村に文作と呼ぶ若者がいました。漁師でした。ある日何時もの様に漁に出ましたが、その日に限ってざこ一匹もとれません。いら立ち乍ら海上をさまよううち海の中に「ピカッ」と、光が見えました。「しめた!」と心はずませ一網入れて引上げてみると魚ではなくお地蔵様が入っていました。「えーい」縁起でもないものがと海に投込みました。しばらく舟を進めた処で網を入れ引上げて見ると矢張り魚の姿はなく同じお地蔵様が上って来ました。すっかり慌てた文作は又海に投込みました。気味が悪くなってあきらめて帰ろうかと思ったがせめてもう一度だけと、今度は向きもかえ遥かに遠い所で網を入れました。「どうぞ魚がとれますように」と心に念じながら網を引上げて見ると何とまあまたまた同じお地蔵様がしかも光を放って上がって釆たではありませんか、すっかり顔色変えてふるえ出した文作「三度までも同じ網に入ってお上りなったお地蔵さま、よくよく御縁があり世の救いのためにお出ましのことかも知れない」と思い、早速檀那寺真如寺の住職様に申上げました。時の住職第四世単誉上人は「大慈大悲の地蔵尊が特に正直なお前を頼って世にお出ましになったことゆえ、人のため心をこめておまつりしなさい」とすすめられ小さい堂を建て仏門に入って終生御供養につとめたのでした。これが海蔵院の由来であり、それ以来子育延命地蔵尊として一般の人々からの尊信を集め一心に願う者は必ず大慈大悲の恵を与え、身体健全、転災授福の仏として参詣者も多く、特に2月と8月の24日は参拝祈願の人が多いと言われています。

  渥美町の伝説(渥美町教育委員会発行) より引用

海蔵院

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