● ほるとのき 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 野田小学校には、大きな「ほるとのき」が4本あります。
 むかし、この学校のあたりは、「ほるとのき」がたくさんしげっている森でした。小さな学校が、その森の中にちょこんとありました。
「おかごももひろいに、いかまいか。」
「うん、いかまいよ。風が吹いたで。ようけおちとるに。」
 子どもたちは、「ほるとのき」の名はしらず、みのことを、おかごももといっていました。
 おしまも子もりをしながら、友だちと、いつもおかごももをひろいにいきました。
 宮川ばしをわたって、学校の森へのぼっていくと、ちりしいたおちばの上に、青みがかった、黒色のおかごももが、かくれんぼをしているように、のぞいていました。大はしゃぎで、ひろってたべたり、げんろくそでに入れて、持ってかえったりしました。おかごももは、あまくて少しすっぱいです。
 おしまはもう、80をこしたおばあさんになっています。
 学校をたてなおすとき、おしまは、おじいさんにいいました。
「おかごももの木、切らんどいて。」
「おれでは、どうしようもないがな。」
「そいでも、じゃまにならんとこだけでも、残しとくれんよ。おかごももがひろえんくなるに。」
「おかしら様に、話してはみるがな。」
 そんな話がどうなったか……
 りつばな学校がたち、運動場がひろくなったとき、おかごももの木は、正門のわきと、北の校舎のあたり、7、8本が残っているだけでした。
 おしまは、4年生をそつぎょうすると、すぐ、せいし工場へいったので、もう、おかごももをひろって、たべることはできなくなりました。
 そのあとも、切られたり枯れたりして、もう4本しか残っていません。
 「ほるとのき」は、いつごろ生えたのか、なぜここだけに、たくさん生えていたのか、わかりませんが……
 ごつごつしたみきは、1かかえのよもあり、20mも高くのびた枝は、四方八方にひろがっています。
 やまももによくにた、細長いはは、年中みどりで、ところどころに、おちるまえの赤いはがまじっています。
 6月ごろ、白い小さな花がさき、秋になると、おしまたちが、ひろってたべたという、おかごももになるのです。
 「ほるとのき」は、「もがし」ともいいます。

「もと」ばあちゃんのおはなし(田原市教育委員会)より引用


ホルトの木@

ホルトの木A

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