● 亀に助けられた話 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 猿橋の下に大きな石亀のような形をした岩があります。この岩は、亀淵の「亀岩」といわれる岩で、この岩には不思議な話があります。
 昔、浅谷に天野利右衛門という人がありました。長篠の医王寺へお施餓鬼に行って帰るときのことです。もうあたりはうす暗くなっていました。寒狭川に渡した丸木橋にかかりました。ずいぶん気をつけて渡りかけましたが、つい足がすべって、あっという間に深い流れに落ちてしまいました。どんなに泳ぎのうまい人でも、どうすることもできません。利右衛門は気を失ったまま亀淵までおし流されてきました。その時、何ものかが利右衛門のからだをおし上げてくれるようです。それにはっと気がついて見ると、大きな亀の背中にのせられていたのです。利右衛門は、亀の背中にまたがり、まるで、浦島太郎が龍宮から帰るときのようなかっこうで、岸にあげられました。利右衛門は、これはまさしく亀淵の龍神の助けであろうと、感謝の涙にむせびながら家に帰りました。
 その後、利右衛門は助けられた場所に塔を立て、お礼のしるしにしました。この塔は今も川岸に立っています。

 新城昔ばなし 365話(新城市教育委員会発行) より引用 


亀渕

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