● 眼病を防ぐ石塔   前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 私の子どものころの観音堂は、囲いの中に梅の木があり、それは美しいたたずまいで、近所の子どもたちの楽しい遊び場でした。
 その観音堂に、河村善統様といって、どんなお経でもお読みになる立派な尼僧様がお住みになってみえました。
 その尼僧様から、子どものころよく聞かされた話に、目の病を守ってくれる石塔のお話があります。その石塔は、観音堂の裏のがけに2基たっていました。善統様は、子どもたちに「この石塔は目を悪くして亡くなった方のもので、ここへお茶湯をすると目がよくなるのですよ。だから、この石塔は粗末にはできないのですよ。」とおっしゃって、いつもねんごろにお参りしてみえました。
 それから年月が経つにつれてだんだんがけが崩れて、その石塔が倒れそうになっても善統様はこの石塔を動かしてはいけない、といわれていました。しかし、そんなことをいつまでもしておくこともできず、すぐ横に立っていた大松を切り倒した時、石塔も移転することになりました。
 現在は、観音堂前の六地蔵様がおいでになる南側にお祭りしてあります。
 今でも奇特な人は、毎朝、お茶湯をしたり、お花をあげたりしています。

新城昔ばなし 365話(新城市教育委員会発行) より引用 


観音堂

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