● 山寺観音 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 玖老勢から海老へ行く途中に副川の大石と言う部落があるが、この部落の真中に大きな岩がどっかりと座っている。この珍らしい大きい石があるところから、この部落を大石と呼んでいる。
 昔、この大石のそばを通りかかった身分の高い落人が、この大石に目を止め、この岩の上に腰をおろして休み、一服しながら周囲を眺めていた。
 するとこの落人は、この大石付近の景観が気に入り、
「この付近の自然はすばらしい。わしの落ち付く場所として最適だ。よしここに落ち付いて寺を開こう」
と決意してここに住むことにした。
 そして部落をひらき、やがて東の山つきに天照山放光寺を建立し、東方の棚山の中腹の伊吹山に奥の院を設置した。
 この奥の院には、棚山の水を集めて落下する見事な滝があり、滝の右手の洞くつには岩角を刻んで作った磨崖仏の観音像があるが、この像は一夜のうちに作られたので一夜観音と呼ばれ、また寝た姿であるところから寝観音とも呼ばれ、人の苦難を救い恵みを与える仏として、近隣の人々から崇敬されるようになってきた。
 ある年のこと、この観音様の評判を聞いた岡崎の徳住上人が、わざわざここへやってこられた。
 そしてこの一夜観音にお参りし、周囲の自然を眺めているうちに、そのすばらしい自然に心を打たれ、ここに庵を作り修行することを決意し、この山内に籠ることにした。
 それから何年も何年も、観音様と滝を見つめながら、岩磐の上に座って修行を続け、やっと行を終えた時には、頭髪は鳥の巣となって乱れ、その中から雀の子が3羽飛び立ち、その上足腰が曲って歩けない程であった。
 今でも徳住上人が修行した坐禅石があり、さらに山寺と呼ばれた上人の庵跡が残っていて、山寺の由緒を物語っている。

鳳来の伝説(鳳来町文化協会発行)より引用 


三河大石

山寺の寝観音

玖老勢の徳住名号塔

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