● 鳴沢滝 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 段戸山を水源とする当貝津川(沢渡川ともいう)が守義の小滝部落まで流れてくると、水量もかなりふえて、花崗岩の浸蝕された渓谷をどうどうと音をたてて奔流しています。この急流が10数メートルの断崖を一挙に落下しているのが鳴沢の滝であります。不気味などうどうどうどうという饗は周囲の山峡に谺(こだま)しつづけていたところから鳴狭滝といわれておりましたが、いつのまにか鳴沢の滝と呼ばれることになりました。しかし、国学者の原田紋右衛門翁はなるさ滝というべきであると主張しておられました。
 鳴沢の滝に落下する滝水は、途中の巖頭にぶつかって白飛沫をあげ、瓢型になっている滝壷に、たたきこまれています。滝壷は青黒く淀んでいて、深さの知られない淵となっています。昔は、川上から木材を流して運搬したものでしたが、川狩りの日傭が、滝の上部に身構えていて、木材を落としますと、滝壷に消えた木材は5分間位も経ってから、ポッカリ水面に浮んでくる程の深さであったといっておりました。
 滝の両側には、杉、檜、樫などの常緑樹と楓、桜などの古木が鬱蒼と繁茂しておりました。これにまつわる山藤の大きな蔓がひろくひろがっておりまして、花の頃の眺めは素晴しいものでありました。この森厳な樹林の間に不動明王がおまつりしてあり春夏秋冬の観光、行楽に絶好の勝景でございます。

つくで百話(作手高原文化協会) より引用 


鳴沢滝

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