● 大巻淵と大蛇 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 小松部落から布里へ行く途中の道下に布里発電所のダムがある。このダムは、大巻淵という大きな淵を利用して作ったものである。

大巻淵と布里ダム
 この大巻淵は底の知れない深さで、遠く上流の塩瀬の蛇穴に通じ、更に上流の空沢のひつ淵にも通じており、大蛇が行き来していた。
 昔のこと、塩瀬の人たちが、蛇穴を探検してみようとした。そのころ、岡崎にショウビンと呼ばれる潜水に強い人が住んでいた。彼はどんなに深い所へも潜り、どんな魚でも自由に捕ることができる名人であった。また鳥や獣を捕ることも上手で、この人が近寄るとどんな動物でも動かなくなってしまう程であった。
 塩瀬の人たちは、このショウビンを頼んで蛇穴を探検してもらうことにした。ショウビンは塩瀬の人たちの見守るなかを、あいくちをくわえて蛇穴の奥深く潜っていった。そして、ついにこの穴の奥に大蛇がいるのを見とどけて、「この穴の奥にはたしかに大蛇がいるぞ。」と報告したので、大巻淵の評判はいよいよ広まった。

鳳来町誌民族資料編(南設楽郡鳳来町発行)より引用


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