● 王子冷越の庚申堂 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 むかし、西の郡から大宮川(今の落合川)を越し、冷越峠を越す道筋は、少々坂になっており、人馬がやっと通れるくらいの道だったという。今の消防本部前の道である。この道を西へ行くと北側に2間四方の古びた祠堂がある。王子の庚申堂である。堂の東には元禄時代(1688年〜1703年)と思われる背面金剛神の碑が建っていて、賓の神であることを証明している。
 王子の庚申がいつの頃からできたのかを証明するものはないが、堂の鬼面の瓦は市内でも貴重なものであって、平田の薬師寺と府相の永向寺の鬼瓦同様に伊勢の瓦師の作と思われる。堂の中には厨子の中に庚申像があり、脇士の像1体が盗難にあってなくっているのが残念だが、他の脇士の像は文化、文政の頃と推定される。
 王子冷越の庚申は、市内では代表的なものだが、この他清田新屋、大塚勝川、三谷松区にもある。ここのお祭りに使われる祭器はむかし風をそのまま伝えておもしろいが、祭が始まる時は、鉦をたたいて村人が集まってくる。碑の前には、竹で3段の棚をつくり、その棚の上に小さい餅を供えて供養するという。供養がすむと参詣した老若男女にその供物を施すのである。
まったく賽の神のまつりである。
西の郡の民話 ほんとのんほい より引用 


王子庚申堂

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