● 羽栗池 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

 形原の里にある池の底深くに眠り続けていた大蛇が突如現れ、村人の命を奪うようになった。 村人は不安でいっぱいになった。
村人は村長を中心にして、もとの平和な里に戻したいと相談を始めた。 しかし、話し合ってもなかなかいい考えが出てこず、そこで村長が 「この前ちんじゅさんのお告げがあったように、村一番の美しい娘を大蛇に差し出すより仕方がねえように患う。」 と言うと、他の村人も賛成した。
いけにえの娘は、まご作の娘 「羽呉(はぐれ)」 に決まった。 まご作は羽呉に「今、形原の里は大蛇のために滅びるか滅びないかの瀬戸際なんじゃ。 村のみんなで考えてもええ方法がねぇ。 それでちんじゅさんのお告げどおりにすることになったのじゃ。 羽呉、村を救うと思って…」。 羽呉は「私はこの形原の里が好き。 死ぬのはこわいし、父さん、母さんと別れるのはつらいけど、この村を救えるというのなら、こんなに嬉しいことはありません」 と両親に言った。
やがて、羽呉をいけにえにする日がやってきた。 坊さんを先頭にした行列が南無阿弥陀仏を唱えながら羽呉の乗ったみこしを池に沈めた。
羽呉が池に身を沈めてからは、あんなに暴れ、人の命を奪い続けてきた大蛇も、地上にその姿を見せなくなった。 形原の里はもとの静かで平和な村に戻った。
その後、池は 「羽呉の池」 と呼ばれ、いつの間にか今では「羽栗池」と言われている。

 広報がまごおり(平成21年10月号) より引用 


羽栗池

一つ前へ戻る        HOMEへ戻る