● 大塚の田の神様 前のページへ戻る   HOMEへ戻る

御堂山から吹き降ろす寒風が郡東高校の校舎の間を抜け、田や畑を駆け抜ける。田の神古墳の上に田の神さんの小さな祠がある。
その横で二コニコして見下ろしている人がいる。田の神さん(冬は山の神)と、亡くなった村のじいさんの魂だ。
2人が立っている古墳から南の方向一直線上に神明社があり、さらにずーっと先に伊勢の神島や、伊勢皇大神宮(いせこうだいじんぐう)が見えている。
「ほんにまっすぐつながっているんじゃのう」じいさんが言うと、
「ここ大塚は、昔伊勢神宮の神領で、、あそこに見える神明社は伊勢神宮に使われていた材木を使って建てられているのよ。そんだけ伊勢の皇大神宮とは深い関係があるのよ」と、田の神さんが答えた。
「なるほどのう、あのー田の神さん、あんたって意外と忙しいだら。」
「そーなのよ−」
「田の神さん、あんた稲作が始まった春に、里へ下がって山の神から田の神さんになっただら?」
「そーよ。私は田の神になって、田仕事している人たちを見守ったり、稲たちがすくすく伸びて豊作になるようお助けをしてるのよ」
「ほーかぁ、ほいで秋の刈入れが終わったら山へ登って来て、山の神さんになったのう」
「山の神になって草・木・実の管理をしたりけものたちを見守っているの」
「あんたは食べ物のかみさんじゃのう」
「そーよ。私はまたの名を稲霊様(いなだまさま)と言い、倉稲魂神(宇賀能美多麻・うがのみたまのかみ)とか豊受媛神(とようけひめのみこと)とか言われている農耕神(のうこうしん)ですわ。私は山と里を見守り豊作をもたらし、みんなのお腹をいっぱいにするためにがんばっているンよ」
田の神さんとじいさんは正月の空気をめいっぱい吸い込んで、みんなのために今年の豊作を祈った。

  広報がまごおり(平成26年1月号)より引用 


田ノ神神社

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