● マヤ稲荷 前のページへ戻る   HOMEへ戻る
むかし、大塚の山のふもとに太郎作という百姓が住んでいた。 朝早くから夜遅くまで畑で働いていたが、あわやひえのおかゆさえろくに食べられない日があるほど貧しい暮らしをおくっていた。 どうしたら金持ちになれるんだと毎日まいにち考えていた。
ある朝、ふと家の裏山にある稲荷さまに願かけしてみようと思い、野菜やもちを持って稲荷さまへ出かけた。 お社まわりをきれいにはき、ひざまずいて手を合わせ、
「稲荷きま、わしを金持ちにしてくだされ。 もし、金持ちにしてくださったら、お礼に金の鳥居をつくってさしあげましょう」
と約束して帰ってきた。
しばらくして、新城にいるおじから材木屋を始めることにしたので手伝わないかと便りがあり、太郎作はさっさと百姓をやめ、おじのもとへ出かけていった。 材木屋の商売はうまくいき、たちまち金持ちになった。
そんなある日、太郎作は貧乏だった百姓のころ稲荷さまに金持ちにしてくれたら金の鳥居をつくる約束をしたことを思い出した。 さっそく大塚に行ったが、稲荷さまに金の鳥居をつくるのはお金がもったいないと思い、木の鳥居を建てて帰ってしまった。 
そんなことがあってから、材木屋はお客の数が少なくなりだんだんさびれてしまった。
あの時、太郎作は金の鳥居を建てなかったから稲荷さまが怒ったに違いないと思った。 悔やんではみたもののすでにおそく、かたむいた家運をたてなおすこともできず、また前のような貧乏百姓にもどってしまった。
 広報がまごおり(平成23年9月号) より引用 


昧耶稲荷

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